宮城弁を聞きに行こう!

宮城弁には「だっちゃ」以外にも、思わず口にしたくなる、ゆるくてかわいい方言が盛り沢山です。

「宮城県生まれ塩竈市育ち、訛ったヤツはだいたい友達」な筆者が、宮城弁の中でも特にユニークなものを厳選し、用例を交えながら超訳いたします。


宮城の魅力は「ささかま」や「萩の月」だけではありません。

そこに住むひとが使う言葉、その響きの柔らかさも大きな魅力のひとつです。


●その1:「こいづ、ほいづ、あいづ、どいづ」

これは、「これ、それ、あれ、どれ」という代名詞、いわゆる「こそあど」の宮城弁バージョン。

用例:「あんだ、ほいづば取ってけさいん」
超訳:「あなた、それを取っていただけませんか?」


●その2:「けさいん」

その1の例にも出てきましたが、これは「ください」という敬語です。
また不思議なことなのですが、「食べなさい」という意味もあります。
語尾の「ん」は省略することもできます。
「サイン、コサイン、タンジェント」と語呂を合わせて「けさい、けさいん、きてきさいん」と覚えると良いでしょう。

例:「おらほさ来てけさいん」
訳:「わたしたちのところ(宮城)へ来てください」


●その3:「おどけでねぇ」

ものすごく、おどろくほどの意。
単体で使用すると「すげー」のように感嘆を表すことができます。
文頭に「だ〜れ」を付けると、さらに驚いている感じが出せます。
文末は「おーん」で締めると、よりネイティブ感が出せるでしょう。

例:「だ〜れ、牛タンだのずんだだの、おどけでねくあんだっけおーん!」
訳:「いったいだれがこれほど素晴らしい光景を想像したでしょうか? 牛タンやずんだなどの珍しいご馳走が、ものすごくいっぱいあるのですから!」


●その4:「おだずなよ」

これは「ふざけるなよ」という怒りの言葉です。
筆者が中学生くらいの頃の宮城は、まだまだ暴走族カルチャーが花盛りだったため、よく怖いお兄さんに「おだずなよ!」と怒られてばかりいましたね。
ちなみに「おだずもっこ」は「いたずらっこ」の意。
ツンデレ女子にとっては必須の台詞です。

例:「おめ、おだずなよ! んだらことされたら、ほ、ほ、惚れちまうべっちゃ!」
訳:「あんた、ふざけんないでよ! そんなことされたら、あんたのこと、す、す、好きになっちゃうでしょ!」


●その5:「がおる」

これが一番説明するのが難しいんですが、狼狽とか、徒労とか、焦燥とか、そんな複雑な感情が混ざり合った言葉ですね。
もう「がおる」は「がおる」でしかないんですよね、やっぱり。
なんて説明すればいいのか……う〜ん、がおった。

例:「昨日街で元カレとすれ違って、いぎなりがおったや〜」
訳:「昨日街で元カレとすれ違って、ものすごく狼狽えて、焦って、心が疲弊してしまったよ」


●その6:「なげる」

宮城県民と会話するときに気をつけたいのが「なげる」の用法。
「こいずなげて」とゴミを手渡されることがありますが、決してゴミをぶん投げろ、と指示されているわけではありません。
「なげる」は「捨てる」という意味です。
じゃあ「投げる」はどんな方言かというと、やっぱり「なげる」です。
文脈をしっかり捉える必要がありますね。

例:「この牛乳パック、塩竈のジャスコさ行ってなげてけろ」
訳:「この牛乳パック、ジャスコ塩竈店にいって、リサイクルに出してきてちょうだい」


●その7:「めんこい」

これはシンプルに「かわいい」の意です。
筆者の推測ですが「面食い」から来ているような気がします。
ちなみに今、宮城を代表する「めんこい」といえば、ご当地アイドルの「ドロシーリトルハッピー」や「SCK GIRLS」(産地直送気仙沼ガールズ)などが人気のようです。

例:「SCK GIRLS、いぎなりめんこいべっちゃ!」
訳:「SCK GIRLS、ものすごくかわいいよね!」


●その8:「だっちゃ」

さて、最後はラムちゃんでおなじみの「だっちゃ」。
これは言うまでもなく「でしょ」の意です。
「んだっちゃね」はものすごくカジュアルに言うと「DA.YO.NE」という感じですね。
とりあえず語尾に「だっちゃ」を付けるだけなので、とても簡単です。

例:「ダーリン、浮気したら電撃だっちゃ!」
訳:「愛しきひとよ、あなたが浮気をしたら、身体に電撃を流し、制裁します」

当たり前のことですが、宮城県民はみんな、宮城弁を使います。

若いひとはあまり訛っていませんが、それでも日常的に「だっちゃ」を連発しています。

とてもユーモラスで楽しい気分になれるはずなので、宮城を訪れた際は、その言葉使いにも注目してみてくださいね。

Written by Gow! Magazine編集部
Photo by pony3295