恋は盲目とはよく言ったもので、相手への熱い想いがすべてを覆い隠してしまうことがある。

とはいえ、相手の欠点と思われることはもとより、お互いの価値観の相違など、熱に浮かされているときは見えないほうが正常である。

 

「亭主の好きな赤烏帽子」は愛情のバロメーター

 

相手への思い入れが強いとき、とくに女性は、自分の趣味趣向まで相手に合わせてしまうことがある。

突然、アメフト観戦が自分の趣味になってみたり、これまで見向きもしなかったゴルフに夢中になったり、あんまり飲まなかった焼酎にハマってみたりする。

まさに、「主人が好きなものには従う」という意味の古いことわざ、「亭主の好きな赤烏帽子」である。

この相手に合わせた趣味とは面白いもので、ひとつの愛情のバロメーターになる。

つまり、相手への熱病のような想いが冷めてくると、途端に熱中できなくなる。無理もない。

もともと自分が好き好んで始めたことではなく、好きな人が好きなことを自分も好きになっただけなのだから……。

相手に合わせてやっていたことが、急につまらなくなってきたら、カレへの愛が冷めたと思ったらいい。

さあ、そこでカレから「去る」べきか「とどまる」べきか……。ずばり異性としての興味を感じなくなったのなら、別れるのもひとつの方法である。

しかし、趣味趣向なんてお互いの人生のほんの一部分だし、好きな気持ちに変わりはないのなら別れる必要なんてないかもしれない。

 

価値観の相違は別れの原因となるか

 

一方、趣味趣向よりもっと大切な、互いの価値観の相違を感じ始めたらどうすべきだろうか。

結局のところ、オトコとオンナは合わせ鏡だと思う。自分の価値観をそのまま映し合ったような相手と、強く惹かれあうものである。

しかし、あまりにも動物的な衝動だけで結ばれ、後になって価値観がかなり違うことに気がついた場合はどうしたらいいのか。

あるいはあまりにも熱い熱病に浮かされ、相手の本質がほとんど見えず、後になって気がついた時はどうしたらいいのか?

価値観とは、それぞれの人間の芯棒みたいなもので、これはどんなに惚れた相手でもそうやすやすと合わせられるものではない。

仕事に対する価値観。
お金に対する価値観。
人間関係に関する価値観。

この三つが大きく異なる相手とは、たとえ異性として惹かれあっていても互いに苦労するだけである。
ときには、尻拭いをしなければならない局面だってあるだろう。

人間の芯棒である価値観を曲げてまでも、その相手と一緒にいたいか、またその思いは永遠に続くだろうかと、よく自分に問うてみるべきである。

 

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南美希子プロフィール

 


南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。

恋愛・美容エッセイスト|南美希子オフィシャルフェイスブックページ
Written by 南美希子
Photo by S. Diddy

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