2019年の10月1日より消費税は8%から10%に引き上げとなります。
 
8%というのは何かとお会計のときに計算がめんどくさかったものです。
が、10%となると計算はしやすいものの、毎度の買い物のたびに1割相当の余計な出費を強いられることになってしまいます。
 
一部品目には軽減税率が適用されるとはいうものの、それらは8%の税率据え置きのままなので、消費者にとっては全く嬉しい配慮とは言い切れません。
 
現在若い世代の方々にとっては、消費税の存在はもう当たり前のものとなっていることでしょう。
ひょっとすると、消費税が存在しなかった時代があったことを知らないという方も、いらっしゃるかもしれません。
 
そこで今回は、消費税がなかった時代から、段階的に税率が引き上げられた経緯について振り返ってみたいと思います。
私たちの買い物は、ここ30年あまりの間にどう変化していったのか。どう不便になったのか。
ここに焦点を当てていきましょう。
 

消費税がなかったあのころ

 
筆者は現在35歳。
消費税の導入は1989年のことだったので、84年生まれの筆者はギリギリで消費税のなかったころの記憶があります。
 
100円のものは100円で。
200円のものは200円で買えた時代でした。
 
当然車や家電などの高級品の購入にも消費税はなかった時代でしたので、そうした意味では庶民の財布に余計なダメージのない時代だったといえるでしょう。
 
消費税が導入されたのは、前述のとおり89年の4月1日。
時の竹下内閣肝入りで導入され日本初の消費税は、3%。
 
100円の買い物の際に103円の支払いが生じることとなり、国民からは「細かいお金が財布に必要になった」とブーイングが出ていたことをおぼえています。
ちなみにこの消費税導入と、直後の金銭スキャンダルの発覚によって、内閣支持率は急落。
消費税導入から半年も持たず、竹下内閣は政権を追われることとなっています。
 
しかし今にして思えば、3%なんてただのジャブ程度の税率でしたよね(笑)。

消費税が5%に、そして8%に…

 
消費税を導入後、人々の暮らしは段階的に豊かになると考えられていましたが、実際はさしてメリットを感じることもないままでした。
そうなると発生するのが政府による税率のさらなる引き上げ必要論。
 
1997年の4月1日から、消費税は5%で仕切り直しをすることとなりました。
当時、筆者は小学生。お小遣いで100円もらっても、もう90円台のお菓子しか買えないので忸怩たる思いをする日々でした。
子供ですらその有様なのですから、一般家庭の財布の紐を握る主婦たちの切迫感はますます極まったことでしょう。
 
が、これでもまだ止まらないのが増税の波。
2014年の4月から、今度は8%の消費税率が生じることとなります。
 
この時点でさまざまな日用品の値上げについて「さすがに家計が苦しい」という声がよく耳に入ることとなりました。
とにかく一律8%の税率って、今に至るまで本当に足かせになっていますよね……。
 
しかも8%ってちょっと計算しにくいし。
 

10月には税率10%に…そしていずれは?

 
消費税率8%の時代も、あと2か月以内に終わってしまいます。
次はいよいよ10%の税率となるわけですが、冒頭でも触れたように、とうとう買い物のたびに1割相当の無駄な出費を強いられる時代がやってきます。
 
消費税を導入したことで、果たして私たちの生活にどれだけの恩恵がもたらされたのか。
これは非常に疑問です。
 
今の時代、日本人の平均年収は400万円台前半。
これではろくろく貯蓄も残せません。
 
さらに今後は、増税によってその蓄えはますます減ることとなります。
 
そして何より、ここまで段階的に増税してきた以上、10%で天井とは考えにくくなっている空気が国民の中にも蔓延していることは、触れておきたいところ。
ぶっちゃけ5年後には「さらなる増税を国民の皆さまにお願いしたい」と、その時の政権が談話を発表してやしないかと不安なんですよね。
 
これ以上の増税は、経済的に落ち目の日本には致命的。
それでも増税しなければならないような、血反吐を吐きながらもやめられないマラソンのような状態に、私たちは参加している気がしてなりません。

おわりに

 
日本という国の体力はたしかに低下しています。
少子高齢化は加速し、若者は減り、老人はますます長生きをしていき……これでは衰退も当然です。
 
ただ、消費税はそもそも、そういった事態に対処するに足る対策だったのでしょうか?
日本で初めての消費税を導入した、竹下登元総理はこんな言葉を残しています。
 
「消費税を導入したことは、後の歴史家が評価してくれる」
 
後の歴史家って、いったいいつの時代の歴史家を指しているのでしょう。
政治家の決断についての最大の評価は、国民の間から出るべきです。
 
(松本ミゾレ/ライター)
 
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