第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した是枝裕和の話題作『そして父になる』は、福山雅治が挫折を知らないエリート・野々宮良多を好演しています。
実は良多、父として夫として「どうなの?」というタイプ。
エリートの妻は玉の輿と思われがちですが、意外と逆境に弱いのがエリート男子です。
「6歳まで育てた息子が他人の子だった」という物語の中で、その典型的エリート男子の弱点を見せているのが、この映画の主人公である良多。
その弱点とは? 映画『そして父になる』を見て、逆境にも強いエリート男子を見抜く目を養いましょう!
結婚に不向き!?『そして父になる』から学ぶエリート男子の弱点
●弱点1:子どもとの付き合い方がわからない
仕事に人生を懸けている良多は、子どもの受験などには参加するものの、休日に子どもと汗を流して遊んだりすることはありません。いい生活をさせてあげることが父の務めだと思い込んでいます。
そのため、本当に血を分けた息子を預かっても、どう接していいのかさっぱりわかりません。
思い悩んだ挙句、実の子どもに「箸の持ち方が悪い」と指摘しコミュニケーションを図ろうとします。
コミュニケーションの方法が箸の持ち方とは! 「子どもができても冷たい家庭になりそう……」と、不安がよぎりますね。
●弱点2:打たれ弱い
育ててきた息子は、赤ちゃんのときに別の家庭の息子と取り違えられていたことが発覚。当たり前ながら、良多はとまどいます。きっと、これまでの人生で最大の衝撃だったことでしょう。
そしてそれ以上に辛いのは、本当に血を分けた息子は懐かず、育ててきた息子も血を分けた父の方に傾いていくことです。
良多はふたりの息子から背を向けられてしまうかもしれないという恐怖を味わいながらも、なすすべもなく傷つきます。メンタルが弱い男、と感じずにいられません。
●弱点3:器が小さい
息子が自分の子じゃないとわかったとき、良多以上にショックを受けた妻。
育児は彼女がやってきたし、難産の末に産んだ息子ですからそれはショックです。
最初こそ「俺に任せろ」と頼もしかった良多ですが、うまく話が進まないと「あんな田舎の病院で産むからだ」と妻に対してキツイ言葉!
忙しい夫を気遣いつつ、ひとりで出産する不安から実家近くの病院を選んだ妻は悲しい気持ちに……。
こういうときこそ優しくしてほしいのに、やつあたりするなんて。「小さい男」と思ってしまいせんか?
●弱点4:人を見る目がない
裕福で優秀な人々に囲まれて生活している良多にとって、田舎で古い電気屋を営む息子の本当の父親、斎木のことは「生きる世界が違う人間」だと思っています。
裕福でないと見るや「金銭的に大変だろう」と勝手に決めつけ「2人とも引き取ってもいい」とデリカシーのない発言をし、斎木を怒らせます。
しかし、子どもは正直。居心地のいい家になじむし、良多の妻も斎木の妻と意気投合します。良多は次第にひとり蚊帳の外……。人を外面で判断するからですね。
●弱点5:裸の王様である
取り違え事件が起こったのは田舎の病院。病院側の弁護士は話が通じない田舎弁護士。
こっちはエリート弁護士を雇い、息子2人を育てる金銭的余裕もある。
良多は「この一件をコントロールできる力はある!」と思っていたでしょう。
しかし、実際には、この問題に振り回され、会社の上司にも心配されてしまう始末。大丈夫だと思っていたのは本人だけ。周囲は不安な目で良多を見ていたのです。
柔軟性のないボンボンエリートは地雷かも
良多は「子ども取り違え事件」をきっかけに、自分の弱点に気づき、間違いを認め、成長を見せていきます。
しかし、これくらい重大な事件に直面しないと変わることができないほど頑固なのもエリート男子の特徴。
汗水たらしてドン底からエリートの地位を得た人ならまだしも、トントン拍子にキャリアアップしたボンボンエリートには要注意!
うまく結婚できても、家族問題が起こるとスルーしようとしたり、とまどったりしますからね。そんなとき苦労するのはあなたですよ。
肩書きだけでなく、その人の本質を見極めましょう!
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Written by 高橋なたりー
Photo by 映画「そして父になる」公式サイト