結婚生活が破たんしたとき人は往々にしてこう嘆くものだ。
「彼って、結婚生活に向かないタイプだったのよね……。」と。

しかし、100%結婚に向くオトコもこの世に存在しなければ、100%結婚生活に向かないオトコも存在しないのである。
恋愛は一時の情熱で突っ走って、往々にして朽ち果てる運命にある。
しかし、結婚生活をいちいち枯らしていては男も女も身が持たなくなる。

 

高望みすればするだけ、リスクが高いのは投資と全く同じ

 

基本的に女性は、結婚相手に経済力のある男を求めるものだ。
但し、これは女性の本能であるから、だれも責めることはできない。
考えてもみて欲しい。
たとえ動物であっても、しっかり餌を見つけてきてくれて、温かいねぐらを提供してくれるオスでないと、そのオスの子供もおちおち生んでいられないことになる。

その経済力であるが、そこそこというか、最低限の生活ができればよしというくらいの覚悟であれば、当然リスクは低い。

ところが、とびきり華麗な結婚生活に憧れ、とびぬけた金持ちと結婚する女性は、当初の有り余るほどの羨望と祝福に反比例して、不幸な思いをするケースが多い。
高望みすればするだけリスクが高いのは投資と全く同じだ。
ハイリスクハイリターンと、ローリスクローリターン。
FX投資と普通預金の違いと同じだ。

 

図抜けた金持ちと結婚すると幸せになれないか?

 

図抜けた金持ちと結婚するとどうして幸せになれないか。
それは財力のある男性は、経済的に妻以外の女性に御馳走したりプレゼントする能力があるから、そこそこ山っ気のある男性の本性の赴くまま、ついついよそ見をしてしまう。

ああまた病気が出たと、割り切れればいいが、そうも簡単に割り切れないだろうし、その都度、妻は悩み苦しむことになる。
ひいては、堪忍袋の緒が切れて離婚という羽目になる。
もし財力があってよそ見をしない夫というのは、妻に充分過ぎるくらい魅力があるからではなく、カラダが弱いなど何か他の理由があると考えたほうがいい。

もうひとつ、図抜けた金持ちである男性の盲点は、浮き沈みが激しいということである。

相当の資産家ならいざ知らず、相手が一文無しになってもついていく覚悟があるかということだ。
慎ましい生活を一気に贅沢にするのはいとも簡単だが、一旦、覚えた贅沢を封印するのは誰しも至難の業である。

そういう意味でも、高値にある男は底値に落ちることを覚悟すべきである。

 

結婚生活とは予測がつかないもの。手堅い夫選びの条件とは

 

結婚相手に経済力を求めるあまり陥る罠というのは確かにある。
しかし、敢えてもう一度言おう。
100%結婚に向くオトコもいなければ、100%結婚に向かないオトコもいないのだ。

なぜなら、本来家庭的な男性でも何かをきっかけに全く変貌してしまうことがある。
逆におおよそ家庭的でないオトコが突然変異的に変貌することもある。
ところが長い生活の中では、またこれがあれやこれや入れ替わったりして、ひいては自分自身も変わってしまったりと、とかくややこしく入り乱れて、地震予測のように先のことはほとんど予測がつかないのが結婚生活なのである。

一時の情熱で突き進み、ひたすらエロスを追い求める恋人選びと違って、この世に万が一手堅い夫選びの条件があるとしたら以下のとおりである。

1.隣で寝息を立てていても、その寝顔が不快に感じられない。
2.そこそこ手堅い職業に就いている。
3.平穏な家庭生活を築くのに協力的である。

一見要求のハードルが低いように見えるかもしれないが、ローリスクローリターンの法則にのっとれば、非常事態がおこらない限り、ずっと安泰な普通預金と理屈は全く同じである。
さらに、あなた自身に結婚生活だけは何があっても手放さないという不動の覚悟さえあれば、これはもう盤石である。

恋愛・美容エッセイスト|南 美希子フェイスブックページ
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南美希子プロフィール

 


南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。
Written by 南美希子
Photo by JonoMueller

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