こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

先週公開した、気になる男性がゲイかどうか確かめる方法に、おかげさまでたくさんの共感が寄せられました。
今回は、みなさんの知らない“ゲイの結婚”について切り込みます!

詳しく知りたいけど、なかなか知る機会のない“同性愛”の話題。
【ゲイだけど質問ある?】では、オープンリー・ゲイの鈴掛真が、みなさんの気になる疑問・質問にお答えしていきます!

 

質問 【ゲイからノンケになることはあるの?】

 

まだまだ同性愛への差別や偏見が根強い日本では、ほとんどのゲイがノンケ(異性愛者)のふりをして生活しています。
大半は、家族や職場にバレないように同性と恋愛関係をコッソリ育んでいるわけですが、なかには女性との結婚にまで及ぶゲイも確かに存在します。
女性からしてみれば、自分の彼氏や夫がゲイだったとしたら失神するくらいショッキングですよね!

古い話になりますが、1998年、オリンピック女子マラソンのメダリスト・有森裕子さんと結婚したアメリカ人男性ガブリエル・ウィルソンさんが、結婚後すぐに「I was gay.」(僕はゲイでした。)と発言し、当時大きな話題となりました。
「wasってなんだよwasって!(笑)」と日本中がツッコんだことでしょう……。
有森さん本人はそれを承知で結婚したそうですが、このガブリエルさん、ゲイだったことはさておきかなりお金にだらしない人だったようで、結局2011年に離婚しています。

「I was gay.」と言うように、ゲイを卒業してノンケになることはあり得るのでしょうか?

まず僕が思うのは、ゲイがノンケになるって矛盾してないか?ということ。
ノンケとは「同性愛の気(け)が無い = non気」が語源。同性愛の気がゼロということですよね。
一度でも「自分はゲイ」と認識したことがある人なら、たとえある日を境に異性しか恋愛対象としなくなったとしても、既に同性愛の気がゼロではないので、バイセクシャルになることはあってもノンケになることはないと僕は考えます。

じゃあゲイがバイセクシャルになることはあるのかというと、“なる”というより、“そもそもバイセクシャルなのかゲイなのか”ということが問題です。
僕のように生粋のゲイと自称できる場合もあれば、男女ともに恋愛対象とできるバイセクシャルや、男女ともにセックスはできるけど恋愛対象は女性だけのバイセクシャルなど、様々なタイプがあります。
ある時期までは同性とばかり恋愛してきたけど、魅力的な女性に出会って「この人と結婚したい!」と思うようになるバイセクシャルの男性がいても、不思議ではないと思います。ガブリエル・ウィルソンさんの「I was gay.」にも、そういった意味が込められていたのではないでしょうか。

 

本当にあった!ゲイによる偽装結婚の実態

 

有森さんのように、夫がゲイ“だった”と知ってて結婚するならまだしも、世の女性たちが避けたいのは、知らないうちに自分がゲイの偽装結婚の相手にされることだと思います。

僕はかつて、実際に女性と偽装結婚したゲイにインタビューしたことがあります。
彼は、某大手広告企業に勤める35歳。年上の奥さんと、1歳になる娘と、一見仲むつまじく幸せに暮らしています。しかし、これまで奥さんとのセックスは娘をもうけたときのたった1度だけなんだとか。1回でデキたのも凄いけど……。
「男とセックスしたくならないの?」と尋ねると「めっちゃしたい(笑)」と照れていました。いやいや照れられても!!
「今でも男とセックスしてるの?」と踏み込んでみると「それはどうかな〜」とごまかされました。ヤッてんなコイツ。
「俺がゲイだって奥さんも勘づいてるんじゃないかな」と言っていましたが、旦那が人知れず男と浮気してるのを黙認してると思うと、奥さんが不憫でなりません……。

ゲイが偽装結婚に及ぶ理由、それは他でもなく“世間体”です。
今も昔も、結婚して家族を養っていることが、男性としてのなによりのステータス。社会的信頼が付き、大企業での出世に大きく関わってきます。また、由緒正しいお家に生まれれば、個人の意志に反して結婚を強要させられることもあるでしょう。
これはなにも、ゲイに限ったことではありません。むしろ世の既婚男性に、女性と結婚した理由を尋ねたら、“世間体”を挙げる人は意外と多いかもしれませんね。

とはいえ、いくら世間体が大事でも、他人の人生を巻き込む結婚まで利用するのはいかがなものでしょう!
アップル社のティム・クック氏は、ゲイでありながらCEO(最高経営責任者)にまで成り上がりました。偽装結婚で世間体を取り繕うような人に比べれば、ゲイであることを恥じずに企業で活躍している人の方がよほど社会的信頼があると僕は思います。

ただ、我が国では同性愛への差別や偏見が根強いのもまた事実……。
色眼鏡で見られず実力で評価されたいと思うゲイの気持ちもよくわかります。
ティム・クック氏のようなリーダーがまだ日本に現れていないということは、今の日本では偽装結婚でもしない限りゲイが大企業で評価されるのは難しいということなのかもしれません。
女性に対しても同じことが言えますよね。
結婚してなかったり、子どもがいなかったりすると、それだけでまるで“負け組”のように見られてしまう……女性として、結婚しない、子どもを産まない選択だって許されて良いはずです。

世間体も大切ですが、そんなものを気にしなくてもいいくらい、誰もが自分らしい人生を全うできる社会になることを、僕は心から願っています。

ところで僕は、未婚のアラフォー女性の友達から、「とりあえず子どもがほしいからシンちゃんの精子ちょうだい!」とよく言われます。(笑)
ここだけの話、「偽装でもいいから結婚したい!!」というみなさんは、世間体を気にしているゲイを狙うのも良いかもしれませんよ……。

 

質問、お待ちしています!

 

鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】第26回、いかがでしたか?
次回は、【どうしたらゲイの友達がつくれるの?】という疑問にお答えしたいと思います。

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【ゲイだけど質問ある?】 バックナンバー

 

●vol.25 【ゲイかどうか確かめる方法は?】
●vol.24 【男女の恋愛と違うところは?】
●vol.23 【どんなときに差別を感じる?】
●vol.22 【もしも同性を好きになっちゃったらどうしよう!?】
●vol.21 【生まれ変わってもゲイになりたい?】

 

鈴掛真プロフィール

 

鈴掛 真(すずかけ しん)歌人
愛知県春日井市出身。東京都在住。
著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。
Twitter・ブログでも短歌を随時発表中。

●Twitter http://twitter.com/suzukakeshin
●ブログ さえずり短歌
●オフィシャルWEBサイト http://suzukakeshin.com
Written by 鈴掛 真

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