ラブホスタッフ上野です。
今でも忘れられない思い出が御座います。
あれは私が18歳の時のこと。
大学に入学し、1人暮らしをすることになった私の家の近くにそれはそれは怪しいビデオ屋さんが御座いました。
入り口付近では法律対策の一般向けビデオが販売しているものの、店内のほとんどのエリアは肌色ビデオ。
そうAVで御座います。
親元から離れた開放感と、18歳男子のリビドーを持て余していた私は引っ越して5日目にそのビデオ屋さんに趣き、吟味に吟味を重ね1枚のDVDを購入致しました。
当時は使えるお金もまだあまり多くなかったので、1時間近く吟味を重ねたと記憶しています。
さて、至高の1本を購入し、家に帰った私は早速そのDVDをデッキに入れ……ませんでした。
実は、まだ見ていません。
あれだけ楽しみにしていたAVを未だに見てないのです。
もう10年以上も前の話なので、そのDVDがどこにあるのかすら私は覚えておりません。おそらくは引越しの際にどこかへ行ってしまったことと思います。
このような現象は私に限ったことではないでしょう。
「AVは店やFANZA(旧DMM)で吟味をしている時が1番楽しい」
この現象は、おそらく多くの男性が1度くらいは経験したことのある出来事と思います。
あれだけ楽しみにしていたAVを結局見ない。見たとしても3分くらいで飽きてしまう。
AVに限らず「積みゲー」や「積み本」と呼ばれるものもまた、この現象と同じであるように感じます。
待つのが祭
文化祭当日よりも、学校に泊まり込みで準備をしているときの方が楽しいように。
旅行よりも、どこに行こうかとガイドブックを広げている時間の方が楽しいように。
映画よりも、どの映画を見るか悩んでいる時間の方が楽しいように。
本番よりも、それを準備している時間の方が楽しく感じてしまうのは人間の特徴なのかも知れません。
さて、セックスをするまでにかかる労力は男女で圧倒的な差があるのは間違い無いでしょう。
近年、多少状況は変わって来たとは言え、若者のセックスは「男性が女性にお願いし、女性に選んでもらう」という構造であるのは間違いありません。女性に全く労力が無いとは申しませんが、男性の労力と比較してしまうと流石に差が大きすぎるでしょう。
これは男性が営業マンで、女性がお客様という構造と似ております。
デートでPRして、女性に「自分」という商品を購入して頂く。そして女性に「買う」と言わせることに成功した男性だけが「ラブホテル」というレジに行くことが出来るのです。
つまり男性にとって、ラブホテルはレジなのです。
既にお客様から「買う」という言葉を頂いて、あとはお金を貰うだけ。
自分の仕事はもう終わった。
あとはウイニングランを楽しむだけだ、といったような心境で御座います。
慎重な男性なら「まだ掌返しがあるかも知れない……」と警戒するかも知れませんが、それでもこういった感情が一切無いということは御座いません。
ラブホテルに入った瞬間、男性は「今日もいい仕事した!」と額の汗を手で拭っているような心境になるのです。あとはもう仕事終わりのビールを飲むだけですので、緊張感はさほど御座いません。
女性にとってはあまり嬉しく無い話かも知れませんが、さらに顕著な男性の場合、ラブホテルに入る瞬間がピークで、セックス自体にはそこまで楽しみを見出していないということすら御座います。
「仕事が好きなだけだから、給料にあまり興味がない」というスタンスで仕事をされている方がいらっしゃいますが、その心境に近いものがあるでしょう。彼らは女性を口説くという仕事が好きなだけであり、その女性も、セックスも大して好きではないのです。
もちろん男性それぞれに個性は御座いますし、状況によっても男性の心理は変わりますので一概には言えませんが、ある程度慣れた男性にとっては「ホテル行こ?」と言う瞬間が緊張のピークであり、そこから先は緊張度が下がって行くのは間違いないことと思います。
(上野/ライター)
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