自分に好意を寄せてくれることは嫌なことでもマイナスなことでもありません。むしろプラスの感情になることの方が多いですよね。
しかし、そうは言っても、交際を前提にした「好き」という告白については、こちらにその気がない限りはお断りする他ありません。
ですが、中にはこちらにその気はないことをうまく伝えられず、対処に困り、時間をかけてしまうことも。
こうなると、相手に「無視されたのでは？」と勘ぐられることにも繋がります。
今回は、つぐみさん（仮名・20代）が、ある男性からの好意を無視したために、恐ろしい目にあった体験談をご紹介します。
元彼からの突然の連絡
Aさんとは、大学時代のゼミ仲間でした。背が高くて顔の彫りが深く、かっこいいルックスだったので女の子にはモテていたと思います。
私も密かにかっこいいなと思っていたので、ほとんど話したことのないAさんから突然告白されたときは、驚きましたがとても嬉しかったのを覚えています。
ただ、彼はとても無口だったので、付き合い始めてからは、「あれ、なんかちょっと思っていたのと違うなあ」とがっかりしたのが本音です。このまま付き合い続けるのはなんか違う、と思っていたので、私が就職で関西に引っ越すことになったのを機に、彼に別れを告げました。
彼は東京での就職が決まっていたので、遠距離になるのは確実だったんです。彼は、突然別れを告げられたことにとてもショックを受けていたようでしたが、「遠距離を続ける自信がない」と告げる私の気持ちを最終的には汲んでくれました。
そんな元彼Aさんから突然連絡がきたのは、社会人二年目の秋でした。当時、私は同期入社の男性とおつきあいを始めて一年が経とうとしていて、結婚の話も出始めていました。だから、彼から「元気？ 俺、まだつぐみのことが好きなんだ」と書かれたLINEには返信しませんでした。
無視した、というつもりはなくて、なんて返そうかなと思っているうちに時が経ってしまって、結果的には無視したような形になってしまったんです。彼からすると、そんな私の態度が許せなかったのかもしれません。
いま、家の前に来てるんだけど。元彼がストーカー化
Aさんからの突然のLINEから数週間後、すっかりLINEのことは忘れかけていたとき、再びAさんからLINEが入りました。
そのLINEを見た時、最初は冗談かと思いました。そこには、「いま、家の前に来てるんだけど」と一言だけ書かれていました。
そのLINEを読んだとき、私は彼氏の家にいたので、彼氏に真っ先に報告しました。二年近く連絡をとっていなかった元彼が家に押しかけてくるなんて恐ろしすぎました。私は彼に住所を教えたこともなかったので、どこで住所を入手したのか考えるとゾッとしました。
彼氏は「心配だから」とその日は家に送ってくれることになりました。
私は彼にLINEを返しました。「どういうこと？ 私の家って。住所、教えてないけど」。すぐに既読になったあと、Aさんから返信がきました。
彼「早く開けて」私「今家にいない」彼「嘘つくな」私「ほんとにいない。もう直ぐ帰るから、待って」。
好き無視の代償
私は恐怖を感じながら、家に帰りました。家に帰ると、背の高い男が、私の郵便受けに手を突っ込んで中を漁っていました。
痩せて背の高い後ろ姿は、まちがいなくAさんでした。Aさんは振り返って私たちを見ました。その顔は、ヒゲが伸び放題で頬はこけて、異様な迫力を醸し出していました。
後編に続く。
（今来 今／ライター）
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