「女は恋愛や結婚を夢見る生き物だ」という言説があります。
 
果たしてそれは真実でしょうか?
 
女性に経済力がなかった時代、女性は結婚しなくては生きていくことができませんでした。女性が経済的に自立することが可能になった現代においては、経済力をつけ、結婚にこだわらなくなった女性も珍しくなくなっています。ですが、現在でも「女性の貧困」という言葉が示すように、女性単身者の平均所得は依然として低いままです。
 
そういった現状を知っている現代の女性は、「女性も働ける環境になれば何かが変わる」と信じられていた時代よりもまして、仕事にではなく、恋愛や結婚に希望を見出すようになっているのかもしれません。
 
1960年代、アメリカでは女性の社会進出が進み、男女平等が声高に叫ばれていました。そんな時代を舞台に「恋愛や結婚は邪魔だ!」と主張する主人公を描いたのが、映画『恋は邪魔者』(2003年)です。
 

「体だけが目当てだったの?」と悩むのは女性の専売特許?

 
本作の主人公はバーバラ・ノヴァク(レニー・ゼルウィガー)。新進気鋭の作家で恋愛不要論を説いた書籍『恋は邪魔者』を出版したばかり。プロモーションのために『ノウ』という男性誌の有名記者であるキャッチャー・ブロック(ユアン・マクレガー)に宣伝記事の執筆を依頼します。
 
キャッチャーは名うての女たらしで、バーバラとの約束を何度もすっぽかし、他の女性とのデートにいそしみます。『恋は邪魔者』なんて本を書くような女は、どうせ行き遅れのブスだろうと思い、鼻から会いたいという気持ちはなかったのです。
 
軽んじられたバーバラは、自力でテレビ番組に出演して書籍をPR。『恋は邪魔者』はたちまちベストセラーになります。書籍『恋は邪魔者』では、「男女は平等であり、セックスも自由にするべき、恋愛感情なんて不要!」とうたっています。
 
これまで男性の影に隠れていた女性たちは、この書籍に感銘を受けて、自分のキャリアを切り開き、異性との関係を気軽にとらえはじめます。
 
女性たちと関係を持った男たちの中には、「結婚をちらつかされて、いざ寝てみたら彼女からの連絡がとだえた。彼女は寝たい時だけ僕を呼び出す。まるで使われているみたいな気分だ。こんな気持ち、本来なら女が感じるべきなのに」と嘆く人も現れます。
 
60年代のアメリカにおいても、「セックス するけど恋人になれない」と悩むのは女性ばかりであることがこの描写からも分かります。
 
現代の日本ではどうでしょうか。現代日本において、「セフレから彼女になる方法」なんていうコラムは散見されますが「セフレから彼氏に昇格する方法」という内容の記事は一度も見たことがありません。本作が作成されてから10年以上の月日が流れていますが、「女性の方が恋愛や結婚に夢を見がち」であり「性的な関係だけを楽しむことは少ない」という風潮は変わっていないように思えます。
 

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