薄幸の女性の共通項は、「過去の恋愛を引きずる」であると言っても過言ではない。

失恋直後ならまだしも、とうの昔に終わった恋を、いつまでもズルズルと引きずることをやめないのだ。

しかも、そのカレが別の女性を選んだ後も、想いを断ち切れないでいたりする。

薄情なはずのオトコが自分の中で美化され、いつしか自分史上最高のオトコとして心の中で生き続けるのだ。

 

元カレの亡霊を断ち切るには

 

だからどんな男性と巡りあっても、心の中で美化されたオトコには太刀打ちできない。

優しい男性は、単なるお人好しに。

包容力のある男性は、重ったるいオトコに。

経済力のある男性は、守銭奴に。

現実の男性たちの美点は、欠点にさえ思えてしまう。

一方、別れた元カレの持っていた要素を持たない男性は、ことごとくダメ男にみえてしまう。

金持ちだった元カレと比較すると、目の前にいる経済力のない男性が、とんでもない人生の落伍者にみえてしまうのだ。

「人間お金じゃあないわ」と人には言っているくせに、こと自分のこととなると物事の本質を見失ってしまう。

これもみんな、別れたカレの亡霊のせいなのだ。

だから、あなたにとって大切な人であるかもしれないのに、心の中に生き続けるオトコを死守するあまり、カレ以外の男性をはねつけてしまうのだ。

たとえ交際にこぎつけたとしても、心の中心にいるのは元カレだけ。

抱かれているときでさえ、昔のカレの愛し方を追想したりする。

新しい男性は常に比べられ、敗者となることが最初から運命づけられているのだ。

 

過去の恋への執着に価値はない

 

そんなあなたに、あえて厳しい言葉を贈ろう。

恋愛とは所詮、思い込みという幻想の上に成り立っているものなのだ。

もちろん、何十年たっても相手に対する思い込みが冷めない恋愛も、この世の中には存在する。

相思相愛で未来永劫、恋愛感情が続くのならこんなに幸せなことはない。

恋愛の究極の理想形だろう。

しかし、例えば死んだ恋人の面影を抱きながら、その思い出にすがって生きるという生き方ならまだ理解できる。

相手はもうこの世に存在しない男性だからだ。

そういう生き方を後悔しないなら、幻影だけを糧として生きることも、美しい生き方かもしれない。

しかし、あなたを捨てたオトコはぬくぬくとこの世で生き延びているだけでなく、別のオンナを愛し、暮らし、家庭まで築いているかもしれないのだ。

そんなオトコに幻想を抱くことに何の価値があるのだろう。

ひとりで思い込みにすがって、何がもたらされるというのか。

そう、昔の恋への執着は、何ひとつメリットがないのである。

ではその執着心をどうしたらいいのだろうか。

じつは、解決方法はそんなに難しくない。

思い込みの呪縛を、自ら外せばいいのだ。

去る者は日々に疎し。

これが自然で健康な人間の精神だ。

別の男性を選び選ばれ何十年もしたのち、「ああ、そんな恋愛もあったな」と笑える方が、はるかに豊かな人生ではないだろうか。

 

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南美希子プロフィール

 


南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。

恋愛・美容エッセイスト|南美希子オフィシャルフェイスブックページ
Written by 南美希子
Photo by Michael Benata

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