「付き合ってるひといる?」
そう聞かれるたびに一呼吸おいて、「うん、まあ……」と答えざるを得ないことはないだろうか。
聞いたほうは、照れているのかと解釈するかもしれないが、「うん、まあ」と答えたほうの心境は複雑である。
確かに、ふたりきりで映画を見に行く異性はいる。
食事をしたり、ふたりでお酒を一緒に飲むのも同一人物。
そういえば、一人暮らしの彼の家に上がったことだってあるし、家に上げたことだってある。
恋人未満の男女関係に未来はある?
彼のほうから押しまくってくれば、男女の間柄に発展するチャンスは多分にあった。
でも、その気配を残したまま時間だけが過ぎて、いつの間にか友達以上恋人未満の関係をずるずると続けている。
今更この関係を解消するには寂しすぎる。
かといって、このまま続けたところで進展があるわけではなし、結局意味がないように思う。
さてこんな場合、一体どうするべきだろうか?
答えは簡単。
あなたに恋を求める気持ちがあれば、即刻関係を解消すべきである。
恋人ではないわけだから、完全に関係を断ち切る必要はないが、これまでのようにふたりきりの時間をダラダラと過ごすべきではない。
彼はグループ交際の対象だと割り切った方がいい。
そもそも恋とは衝動的なものである。
恋は盲目とはよく言ったもので、周りから強く反対されようが、相手に家庭があろうが、好きになった気持にはブレーキがきかないほどの抑えがたい激しい感情こそが恋なのである。
まるでカミナリにでも打たれたように、ある特定の異性になりふり構わず夢中になるのが恋の本道なのである。
だから何回会っても、手さえも握ろうと互いに思わない相手は、欲情の対象外。
つまり恋愛対象外の相手なのである。
毒にも薬にもならない男女関係を続ける男と女の間には、ある共通の利害があるものだ。
つまり、寂しい・対外的に恋人がいないのがかっこ悪いといったもので、互いに異性の茶飲み友達がいることは何となく心地いいし、周りからも恋人ありと認められるので面目が立つというわけだ。
幸せになるには切り捨てるべし
しかし、そんな了見で関係を続けていて一体何のメリットがあるのだろう。
かえって素敵な出会いをとり逃してしまい、ますます恋愛から縁遠くなるばかりである。
メンツは捨てよう。
周囲に恋人募集中と公言して、チャンスを狙ったほうが格段に幸せになれるはずである。
一目、いや、百歩譲って二目で全く欲情しない男は、いたずらに繋ぎとめるべきではない。
恋人に昇格する芽はないと思って、即刻切り捨てよう。
寂しいのなら、同性の友人と出かけたほうがもっと素直に楽しめるはずである。
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南美希子プロフィール
南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。
●恋愛・美容エッセイスト|南美希子オフィシャルフェイスブックページ
Written by 南美希子
Photo by jl.cernadas