男女の別なく、付き合ううちに相手のアラがみえてくるものだ。

数回でわかる場合もあれば、何年もの付き合いの中でひょんなことからアラが顔をのぞかせることもある。

“意外とケチだ”“気が短いところがある”“貸したDVDは返ってこないし、何かにつけルーズ”etc……

それでも、仕事上の利害関係があったり、そう頻繁に会うわけではなかったりして、そのアラが決定的に自分にダメージをもたらさない限り、承知のうえでそのひとと付き合うことになる。

それになんといっても、アラのない人間なんていないわけであって、自分自身も相手にアラを感知されている。

つまり、人間とはお互いのアラにうまく折り合いをつけながら生きている生き物なのだ。

 

性的魅力がある限り恋愛は回っていく

 

とはいえ、恋人同士となると大きく訳が違ってくる。

もちろん、ベースに人間対人間の付き合いがあるわけだが、よほど病的なアラでない限りは不思議と恋人のアラは気にならない。

むしろ、あんな性悪オンナとよく付き合っているなあと思うように、女性にうつつを抜かしている男性は結構多い(その逆もあって、あんな女ったらしに夢中になるなんてあのコ馬鹿じゃないの、というケースもある)。

恋をする人間が、相手の人間的アラを超えて魅かれる要素は、ずばり性的魅力である。

男は女性のとりわけ女性的なものに、女は男性の男らしさに強く魅かれる。

それは自分に生まれ持って欠落した部分を理屈抜きで追い求めるようなもので、お互い性的魅力さえ感じ合えれば恋愛は結構うまく回っていくものである。

よって男性が恋人に幻滅する瞬間は、女らしさのメッキがはげ落ちた瞬間である。

外見も内面もミューズ(女神)だと思っていた彼女に裏切られた瞬間、男はひどく幻滅する。

そして、イエローカードのようにたまったこの幻滅がレッドカードに昇格する瞬間、男は彼女のもとを去るのである。

 

恋愛を続けたければミューズであれ

 

ではここで、具体例をあげてみよう。

だれしも、恋人に逢いに行くときは目一杯装うものである。

古びたパンツのゴムのように、馴れ合いダレきった関係ではない限り、デートにジャージを着ていく人間はいるまい。

オトコの気を惹こうと穿いていったピチピチのタイトスカート。しかし、パンティラインがくっきり。

しかもそれがかなり深さのあるオバサンパンツだったりするとそれはもうげんなりするものだ。

他にも、明るいところで見たファンデーションのよれや、口紅のにじみ、はげかけたマニュキュア……。

化粧をしない男性にとって、かなりグロテスクで幻滅させる要素になる。

これら、いわゆる装いのアラは男の人をひどく幻滅させるものだ。

女性らしさを欠いた態度や言動で、男性を幻滅させる瞬間もある。

男性が思い描く理想のミューズは、自分に勇気を与えてくれる存在に他ならない。

男性にとっての女らしさとは、つまり男性を立てる気配りなのである。

そのため、『ダメ』という言葉に、男性は女性が想像する以上に反応する。

「あんたって、本当にダメなオトコね。こんなこともまともにできなくってさ」

彼氏と別れたかったら、この一言さえあればほかに何にもいらないというくらい、この一言は男にとってこたえるものなのだ。

その反対に、「あなたって、いつも最高!」と言ってくれる女性を、男性は決して離さないのである。

 

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南美希子プロフィール

 


南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。

恋愛・美容エッセイスト|南美希子オフィシャルフェイスブックページ
Written by 南美希子
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