カーストとは、インドに伝わる古くから脈々と続く階級制度のことです。現代においても、インドではカーストが違うもの同士の恋愛・結婚は反対されるなど、未だにその階級制度からは解き放たれていません。
 
日本でカーストと聞くと、一番メジャーな言葉は、スクール・カーストではないでしょうか? 派手だったりスポーツができたりする一軍グループがカースト上位で、地味な人たちは、下のカーストに位置している、などと揶揄されることもあります。実際に明確な階級制度があるわけではありませんが、実感として、一軍・二軍がある、と感じたことがある方は少なくないのではないでしょうか。
 
こういった「なんとなくの実感としての階級制度」は、ファン同士の集まりにも存在しているといいます。
 

ファン同士のカースト制度1 ドル(アイドル)オタ・ファン

 
ドルオタ(アイドルオタク)はファンが怖い、と叩かれがちです。
 
愛が強すぎることと、ジャンルによっては母数が多いことから、突飛な行動をするファンが目立つのでしょう。
 
ドルオタのなかには、「にわかのくせに」と新参もののファンを下に見るファンもいます。
そういうファンにとっては、自分こそはカーストの上の方にいるもっとも愛と時間とお金を注いでいる真のファンであり、他のファンは、下のカーストにいる雑魚に過ぎない、と感じられるのでしょう。

ファン同士のカースト制度2 アニメ・漫画ファン

 
アニメ・漫画ファンのなかには、二次創作などがうまいファンを上位のファンと位置づけ、読むだけのファンなどを下の存在だとしているファンもいます。
 

なぜ同じものを愛する人のなかで序列をつけたがるのか?

 
ところで、なぜ同じものを愛するファン同士が、自分たちを仲間と認識せず、優劣をつけたがるのでしょうか?
 
そこには、おもに2つの理由が考えられます。
 
ひとつめは、独占欲です。
とくに「売れる前から応援していた」と自称するファンほど、独占欲を抱きがちです。「昔から応援して、ここまで育てたのは私なのに、後から入ってきた人に横取りされたくない」という気持ちが、「私の方が上」というマウンティングにつながるのでしょう。
 
もうひとつの理由は、アイデンティティの維持です。
熱いファンほど、ファン活動=自分の人生、になっています。ファン活動のために仕事をし、休みはすべてそのために使う、ということが続いていけば、ファンであることは自分の生きる意味にも等しくなっていきます。
 
ただし、実際には、「人や作品のファンであること」は、他の誰かも生きる意味にしている可能性が高いのです。そうなると、その生きる意味は、「自分だけの特別なもの」に見えなくなってしまいます。
 
だから、他のファンと自分を区別し、「あの人たちとは違う。私はもっと上」だと決めつけることで、自分のアイデンティティを確固たるものにしようとしている、というわけです。
 
(今来 今/ライター)
 
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