インターネットの発展に伴い、ひととひととの繋がりが重要視される昨今、フランクに語り合える男性の友達を増やしたい、という女性も多いのではないでしょうか?
しかし、男性と女性はコミュニケーションの方法が異なるため、男女間で友情を培うのはなかなか難しいもの。
いったいどうすれば、男女間のコミュニケーションをスムーズにし、友情を培えるのでしょうか?
その方法を、古典的なユング心理学に、情報の伝達・伝播について研究している筆者の見解を加えて、考えてみたいと思います。
コミュニケーションは難しいスキルである
普段、我々は深い意味を考えずに「コミュニケーション」という言葉を使いますが、それは実に奥深く、難しいものです。
なぜなら、コミュニケーションの本質である「情報の伝達〜相互理解」は、ひとりの人間の中で行われていることだからです。
たとえば、あなたが彼に「最近、きれいだね」と言われたとします。
彼は純粋に「きれいだ」と思って褒めたつもりかもしれませんが、あなたは(なにそれ、前はブスだったってこと? 腹立つわ)と誤解する可能性があります。
つまり、あなたはあなたの辞書をもとに、あなたの中だけであらゆる情報を処理している、ということです。
辞書の内容はひとりひとり違うし、とくに男女間では大きく異なるので、そのコミュニケーションはしばしば困難を極めます。
だからこそ、コミュニケーションがスムーズに行かないときこそ、自分の内面を見つめる必要があります。
男女間のコミュニケーションを深める鍵は、シャドウにあり
分析心理学の創始者、カール・グスタフ・ユングによると、ひとは社会的に承認されるために作り出した仮面=ペルソナと、本来自分の中にあるのだけれども、理性によって否定している心の闇=シャドウを持っていると言います。
社会に出てひとと関わるとき、ひとはシャドウを適切ではないものとして処理し、他者の中に自分のシャドウを見ると、嫌悪感を抱いてしまいます。
すなわち、女性は女性らしく、おしとやかに振る舞おうとして、自分の中にある男性らしさ(猛々しさや露骨な性欲など)に嫌悪感を抱くのです。
具体的に言うと、場を和ませようとして男同士のコミュニケーションである「下ネタ」を話した男性に対し、「キモい、最低」といった評価を下してしまうのです。
性欲は、誰にとっても切実な問題なのに、自分の中にある性欲を「適切ではないもの」として処理するから、他者(男性)を攻撃してしまうのです。
もちろん、いきなり下ネタを言う男性にだって非はあります。
長くなるので詳しくは省きますが、そこにも心理的な力学が働いていますし、女性の心情に理解を示そうとすらしていないので、よくないことです。
社会通念で言えば、それはセクハラにだってなりかねません。
しかし、争いの本質が「自分の内面にある」ことを理解できなければ、コミュニケーションなんて成立しません。
仲良くなりたい男性とは、下ネタを共有しよう
ここからは筆者の独説ですが、男性とのコミュニケーション力が高い女性は、総じて下ネタのスキルが高いです。
下ネタを話してくれる女性は、筆者を異性としてではなく、ひとりの友人として扱ってくれているからだと思っています。
ユングによれば、ひとはシャドウを受け入れることで、生きる力が強くなり、人格面で成長ができると言います。
女性は好きではない男性の下ネタに対し、生理的な嫌悪があることは知っていますが、女性が自分の性欲をしっかり見つめれば、下ネタを言う男性にも寛容になれるのではないかと、筆者は思います。
クインシー・ジョーンズの娘であり、ピープル誌が選ぶ最も美しい人に過去3度にわたって選出されている人気セレブのラシダ・ジョーンズも「この人とは下ネタは苦手、というのは(気が合わなくて)友人にはなれないか、相手に恋心があるからじゃない? 友達になるならそういう感覚もシェアできないとね」と言っています。
男性のコミュニケーションに理解を示し、サバサバと下ネタを語れることが、男友達を増やすコツなのではないでしょうか。
少なくとも、筆者自身はそういう女性と、長年付き合える友達になっていますよ。
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(参考)
シネマトゥデイ「男女間の友情に必要なのは下ネタ!? クインシー・ジョーンズの娘・ラシダが恋愛観を語る!」
http://www.cinematoday.jp/page/N0052912
Written by マツタヒロノリ
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