イギリスの新聞『The Economist』が「働く女性にとって有利な先進国ランキング」を発表しました。

これによると、トップはニュージーランド。

以下ノルウェー、スウェーデンと北欧諸国が続き、カナダ、オーストラリアがトップ5に入りました。

日本は先進国26か国中なんとワースト2位! ワースト1位は韓国という結果に。

働く女性が増えてきた今、この現実をどのように捉えればいいのでしょうか。

 

日本は世界で二番目に女性が働きにくい国だった

 

この「働く女性にとって有利な先進国ランキング」は、以下の5つの項目によって評価されています。

1. 男女それぞれの第3次教育(高等教育)以上を受けた人の数
2. 女性労働者の数
3. 男女の賃金の差
4. 上級職に就いている女性の割合
5. 平均賃金と比較した児童保護サービスの価格

この5項目の総合ではニュージーランドが最も評価が高く、教育面はフィンランドがトップ、女性労働者の数はスウェーデンの78%がトップ、男女の賃金差はスペインの6%が最小でトップだったそうです。

さて日本はといえば、2011年の日本の全就業者に占める女性の比率は42.2%と半数以下。

さらに『管理的職業』に女性が占める割合はたった11.9%。

この数字は先進国の中で最低水準というだけでなく、シンガポールやフィリピンよりもずっと低い数字なのです(※1)。

 

女性が働きにくくなった歴史的理由

 

なぜ日本がこんなに働く女性に不利なのかは、歴史的な理由があります。

日本の高度成長期に労働力が不足したとき、日本は男性の長時間労働でそれを補ってきました。

今、女性の高学歴化が進み、社会貢献への意欲をもって社会に出ても、男性と同じように評価されたければ同じように長時間労働を求められ、家事や育児との両立が実質不可能という現状。

男性のみで作り上げた働き方に女性が合わせなければならないのが日本社会の現状なのです。

では諸外国ではどうなのでしょうか。

英国が産業革命などの高度成長期で労働力不足に陥ったとき、女性がそれを補ってきました。

その結果、家事が極限まで簡素化され、パスタをゆでてソースをかけるだけ・肉を焼いてそのまま出すだけという食事のスタイルや、レディミール(惣菜やケータリング)が発達しました。

また民間のベビーシッターなど子育て支援も充実しているのは、国が積極的に女性の労働力を必要としていたからだと考えられます。

女性が働きやすい国の第3位のスウェーデンは、女性労働者が78%と共働きが当然の社会です。

高い消費税率25%を維持するためには女性の労働力が不可欠です。

スウェーデン人の平均年所得は男性580万円、女性440万円と多少の差はありますが、女性の働き方は選択肢があり、フルタイムを選んでもパートタイムを選んでも、時給換算での賃金にほとんど差はありません。

さらに業種による賃金格差もかなり是正されていて、銀行員だろうが飲食店勤務だろうが大差はないのです。

 

日本も女性の労働力が不可欠になってくる

 

さてここで大きな問題があります。

日本は少子高齢化が進み、労働者人口が減り税収も減り続けています。

国の借金である国債発行額残高は過去最高の855兆円と先進国最大。

日本の消費税率はもうすぐ8%に上がりますが、まだまだ諸外国に比べれば低水準であり、今後最低でも15%程度までは上げざるを得ないと思われます。

さらに、日本の労働人口はこのままでいけば20年後には10%以上減少。

これを補うために女性の労働力は不可欠なところまできているのです。

 

どうすれば女性が仕事を続けられるのか

 

では、どうすれば女性が働き続けることができるのでしょうか?

この問題に対し、法政大学キャリアデザイン学部の武石教授は、神奈川県の運営する「かながわ働き方改革」内のコラム『男女の働き方とワーク・ライフ・バランス』のなかで以下のような提言をしています。

まず一つ目は、長時間労働を前提とする働き方を変えること。

女性だけが時間を短くしても、男性が長時間労働を続けていては女性の家庭的負担が増してしまい、男女の格差も縮まることはありません。

また二つ目は、働き方に「柔軟性」をとりいれること。

つまり、職場のメンバーが同じようなスタイルで一緒に働くのではなく、状況に応じてフレキシブルに働けることが重要なのです。

個人の突発的な事情にも職場が柔軟に対応すれば、誰もが仕事を続けることができるはずなのです。

 

日本経済は女性たちの手にかかっている

 

残念ながら、こうした社会の実現は容易なことではありません。

長い歴史の中で身に付いてしまった感覚は簡単に変えることはできないからです。

しかし、今、日本経済を救うのは女性なのです!

せっかくの学歴も、夢を叶えようとしてきた努力も、家事負担と労働環境によって捨ててしまうのはもったいない! 

少子化も労働力の減少も、解決の鍵となるのは女性なのですから。

 

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※1 日本経済新聞1月7日朝刊より

Written by 杉本レン
Photo by iconmac

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