今月14日に、不妊治療を行う医師や患者会関係者らが卵子を斡旋する事業を始めるというニュースが発表されました。
病気などが原因で若い時期に卵巣の機能が低下し妊娠できない女性のために、ドナーを募り妊娠出産を支援していこうというものです。
ただしこの事業では、「卵子の老化」による不妊に悩む女性は対象になっていません。
今、「卵子の老化」により不妊に悩む女性たちが、海外で卵子提供を受けて妊娠する例が急増しているというのです。
海外で卵子提供を受ける日本人が急増!
「卵子の老化」により、不妊に悩む女性が急増している日本。
いつまでも外見が若い女性がいくらいようとも、卵子の老化は止められるものではありません。
もし、あなたが妊娠を考えたときに卵子が劣化していると言われたら……?
卵子提供というかたちも、一つの道なのかもしれません。
●海外で卵子提供を受ける女性が急増
30代半ばを過ぎると妊娠しにくくなる「卵子の老化」が原因の不妊が増えるなか、海外で若い女性から卵子提供を受け、夫の精子と体外受精させて女性の体内に戻し、妊娠、出産する女性が急増していることが、金沢大学のグループの調査で分かりました。
この調査によれば、その数は確認できただけで2011年に63人、4年前の2007年の3倍にも急増していたそうです。
卵子提供が事実上認められていない日本では、卵子提供を受けて子供を産んでも他人に口外しないひとも多くいると思われ、この数字は氷山の一角と考えられます。
実際、卵子提供を仲介するサンフランシスコのある業者は、日本からの相談が去年1年間で600人を超え、現在およそ200人の日本人女性が卵子提供を申し込んでいるのだそう!
なぜこんなに卵子提供を受けたい女性が増えているのでしょうか?
●不妊大国・日本
その背景には、晩婚化・高齢出産が増えるとともに不妊治療も激増していて、3年前の体外受精の件数は世界最多の約24万件に登るという現実がありました。
不妊治療を続け、それでも妊娠できないアラサー、アラフォーの女性たちが最後の手段として卵子提供を選択していると思われます。
●卵子提供を受ける女性とは
卵子提供はアメリカやタイなどで受けることができ、需要の増加に伴い、多数の日本人のドナー登録を謳った業者も増えています。
インターネットで気軽に相談できることも増加を後押ししています。
とはいえ、一回の卵子提供を受けるのに必要な費用はなんと約500万円!
どんなセレブが提供を受けるのかと思いきや、ごく普通の女性が圧倒的に多いとのこと。
それもそのはず、ある卵子提供業者の発表では、卵子提供による受精着床率は約75〜80%と大変高いのです。
これに対して体外受精にかかる費用は1回30万〜60万程度ですが、受精着床率は40代女性では約1割、45歳ではほぼ0に近いという現実。
この事実を知れば、卵子提供による高い妊娠成功率に望みをかけたくなる気持ちは理解できますよね。
卵子提供を受けることのさまざまな問題
日本で卵子提供による妊娠出産が促進されないことの理由のひとつに、早産や多量出血など分娩時の異常が起こるリスクが高くなると言うことがわかってきており、医療機関が敬遠するという実情があります。
さらに、やはり倫理的な問題が懸念されます。
「遺伝子上の母親」と「産みの母親」が別になることによる親子関係の有りかたなどに疑問を感じ、まだまだ否定的な考えのひとが世の中に多いのが現実です。
そうした中で、卵子提供による妊娠で産んだ子供であることを将来その子に告げるべきかどうかも微妙な問題です。
あなたは、妊娠したいのに卵子の老化により子どもが得られなければ、卵子提供を選択しますか?
この問題には、まだまだ議論が続きそうですね。
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Written by 杉本レン
Photo by I Should Be Folding Laundry