1999年5月30日は、匿名掲示板「2ちゃねる」が、ひろゆき氏によって開設された日です。2ちゃんねるといえば近頃、削除要請に答えずに違法情報を放置しているという指摘や、3月の麻薬特例法違反の幇助容疑で、関連会社に家宅捜索が入るなど、悪いニュースが絶えません。
“ネット社会の闇”といったイメージを抱いている人も多い2ちゃんねるですが、匿名だからこそ生まれたイイ話もあります。
そこで、2ちゃんねるから生まれたイイ話をご紹介いたします。
「2ちゃんねる」から生まれたイイ話
匿名掲示板に何気なく書き込まれたひとことが、ときに感動的なストーリーを展開することがあります。
●その1:電車男(2003年)
「カプール板のレスをコピペして鬱になるスレ」から誕生した有名なストーリーです。
「電車の中で酔っぱらいに絡まれていた女性を助けたお礼に、エルメスのティーカップが届けられた」という書き込みから始まった、自称アキバ系ヲタク『電車男』の恋愛相談。2ちゃんねるの住人たちが、掲示板を通してアドバイスし、『電車男』を一人前の男に導きました。そして初カキコ(書き込み)から2ヵ月後、「告白したらうまくいった」という『電車男』の報告に、多くの祝福レスが付きます。
それが話題となり『電車男』として漫画・映画、テレビドラマになったのです。また、それに付随して発生する二次著作権料をひろゆき氏は受け取らず、新潟県中越地震災害義捐金として送金しています。
●その2:アフガニスタンへの学校建設募金(2002〜2004年)
「あの~2chでアフガンに学校建てたいんですけど」というタイトルで立てられたスレから始まったこの企画。
「がんばれ。俺も100円なら払う。」
「しない善よりする偽善」
「校旗をモナーにするかギコにするかで揉めそうな予感。」
「なんか自分が2ちゃんねらーだという事に自信がでてきた。」
などと、ゆるい賛同の書き込みから徐々に盛り上がりっていきました。
そして、初カキコの4ヶ月後に94万3000円が集まります。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じて、2004年8月にアフガニスタンに「フィールズバハール小学校」が完成。
当初の書き込み通り、2ちゃんねるのキャラクターである『モナー』と2ちゃんねるのURLが描かれた学校名プレートが設置されています。
●その3:14万羽折り鶴プロジェクト(2003年)
2003年8月1日、広島平和記念公園内にある「原爆の子の像」に捧げられていた約14万羽の折り鶴が放火により焼失してしまいました。
それを見たにちゃんねらーが、折り鶴を折って終戦記念日までに届けようという「14万羽折り鶴プロジェクト」を発足。なんと、最終的には83万羽もの折り鶴が集まり、高校の社会資料集にも掲載されるなどして話題を呼びました。
●その4:泣ける話スレ
「泣ける話スレ」という人気のスレッドには、感動する話や泣ける話、大切な人への感謝などが綴られます。『泣ける2ちゃんねる』(コアマガジン)として書籍化もされました。
匿名だからこそ、素直な気持ちが書けることもあります。人の本心を垣間見る機会というのは希少であり、心温まるエピソードに救われる人も多いのではないでしょうか。
日本人の文化「2ちゃんねる」
2ちゃんねるは“匿名掲示板”とはいえ、現在はIPアドレスやホスト情報を管理側が記録しているので、通信記録を調べれば利用者を特定できます。犯罪や違法薬物の温床になっているのなら、それらを防ぐ努力をするべきです。
このように良い面もあれば悪い面もありますが、それでも2ちゃんねるは日本人の文化として根付きました。今日も誰かの書き込みから、思いがけない感動話が生まれるかもしれません。
Written by Wicca
Photo by the measure of mike
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