差別”と聞くと、思い浮かべるのはどんなことでしょうか?
セクシャリティや人種、宗教の違いなどで差別されるというのは、社会問題として認識している人が多いですよね。
 
でも、実は、日常生活の中で無意識に差別をしてしまっている人も多いんです。
 
今回は“差別”とは何なのかを、同性愛者の立場からあらためて見直してみました。
みなさんも、この機会にぜひいっしょに考えてみましょう。
 

どんなときに差別を感じる?

 
家族にも友人にも、ご近所付き合いでさえ同性愛者であることを隠していない僕ですが、毎日の生活の中で差別を受けていると感じることは、おかげさまでほとんどありません。お隣の家のおばあちゃんなんか、おかずのあまりをときどき届けに来てくれるほど!
 
けれど、日本人は元来、本音と建前を重んじる性格。本人の目の前で自信満々に差別的な発言をできる人は、あまりいないですよね。
 
けれど居酒屋なんかでは、「ゲイって気持ち悪いよな! マジありえねぇ!」なんて言葉が聞こえてくることが……そんなときは「優しくしてくれる人たちも本音ではそう思ってるのかな……」と、少し悲しい気持ちになります。
 
こうした、誰が見ても差別だとわかる言動はさておき、我々の生活には“無自覚の差別”が存在しています。みなさんも、知らず知らずのうちに周りから差別を受けているかもしれません。
 
そもそも、差別って何なんでしょうか?
なにをもって差別と決まるんでしょうか?

差別は解釈によって決まるものではありません!

 
まずは、差別の意味を振り返ってみましょう。
大辞林 第三版の解説によると、 差別とは 『偏見や先入観などをもとに、特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること』とあります。
 
でも、差別を理解するにはこの意味だけでは足りないと僕は思っています。
 
たとえば、こんなカップルがいたとします。
数年ぶりに彼氏ができた花子。大好きな太郎と、毎日ラブラブな時間を過ごしています。
 
「ねぇ太郎くん、私のどこが好きか言ってみて。」
 
すると太郎は、目をキラキラ輝かせながら言いました。
 
「花子ちゃんがブスなところ!」
「……え? ブス? ちょっとなに言ってるかわかんない……」
「ブスはほめ言葉だよ! 俺って極度なB専なんだよね!」
「そ、そうなんだ……たしかに私、美人な方じゃないけど……でも、彼女に対してブスとか言うのはどうかと……」
「花子ちゃんは本当に理想的なブスだよ! あぁ〜すげぇブス! 花子ちゃん大好きだよ!」
 
B専の人たちはほめているつもりでも、面と向かって『ブス』なんて言われたら誰だっていい気分はしませんよね。
 
この彼の場合、『ブス』であることは彼女にとって不利益ではないと解釈しています。
 
でも彼女からすれば「お前の解釈なんて知ったこっちゃねーよ」といったところ。
 
彼がどんなに正当化したところで、『ブス』と発言することは女性の容姿を不平等に扱った差別行為にほかなりません。自覚がなくても、悪気がなくても、差別は差別。これぞ“無自覚の差別”といえます。
 
一方で、話のネタでブスを自称する女性や、ブスを売りにしている女芸人さんもいますよね。
そのせいで、「ブスとして扱っても不利益にならない相手なら差別じゃない」と考える人もいますが、それは違うと僕は思います。
 
彼女たちは、“ブスという差別”を利益にしているだけ。ブスとして扱うことが差別じゃなくなるなんてことは絶対にない、と僕は思います。
 
女性を容姿で差別していることに変わりはないわけですから。

差別を絶対になくさなきゃいけない理由

 
私生活にひそむ“無自覚の差別”の例をあげましたが、差別の対象となるのは多くの場合、外国人、有色人種、障害者、病患者、そして僕のような同性愛者など、いわゆるマイノリティ(社会的少数者)と呼ばれる人たちです。
 
同性愛に否定的な人たちによるネットの書き込みで、こんな意見を目にしたことがあります。
 
「自分はゲイを気持ち悪いと思う。それを差別だといわれても、思ってしまっていることは仕方ない!」
 
確かにそうですね……差別するつもりはなくても、不快感は、それこそ無意識に湧き上がってくるものです。
 
けれど、不快感にだって、きっと理由があるはず。
たとえば、男同士が手をつないだりキスしたりしている光景を思い浮かべると気持ち悪い、と思う場合。
 
それは、“手をつないだりキスしたりしていいのは男女間だけ”という固定概念から、それに外れたものに拒否反応が出ているせいかもしれません。だとすると、同性愛者にもっと歩み寄って、その固定概念を壊すことができれば、不快感自体を払拭することもできるかもしれないんです。
 
けれど、たとえ歩み寄っても、やっぱり拭いきれないかもしれません。そもそも不快感自体が問題なのではないんです。
その不快感を克服しようとせず、歩み寄ろうとせず、自分の中にある差別意識を放置していることが問題なんです。
 
では、なぜ差別はしちゃいけないのか。
僕が考えるその理由は、人間一人ひとりのパーソナリティを否定する考えだからです。
 
「ゲイって気持ち悪い!」
 
そんな言葉が聞こえてきたとき、僕はとても残念な気持ちになります。だって、同性愛者だということは、僕というパーソナリティを構成する要素のほんの一部でしかないのに、気持ち悪いと思われてしまっているからです。
 
僕は愛知県に生まれ、美大で芸術を学び、広告会社勤務を経験しつつ、短歌を10年間作り続けてきました。
特技はピアノ、趣味は料理です。冬が深まるこの季節にぴったりなスープや、ホットドリンクのレシピを知っています。
 
なのに、ゲイだというだけで、これまでの人生で積み上げてきたものすべてを否定されてしまうんです。
 
おいしいホットドリンクをみんなに教えたいのに、「ゲイって気持ち悪い!」そう思っている人とはそれが叶わないんです。それはとても悲しいことです。
 
それに、ケンカなら個人同士の問題で済みますが、差別意識は、それだけで大勢の集団に敵対することになります。一人ひとりと向き合えばわかり合えるかもしれないのに、差別は、その可能性を一切排除してしまうんです。
 

差別意識は絶対に持つべきではない

 
今あらためて、みなさんに覚えておいていただきたいんです。
差別意識は、持たないほうがいいものじゃなく、絶対に持つべきじゃないものだということを。
 
(yummy!編集部)
 
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公開日:2016年11月18日
更新日:2019年12月16日


 

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