レズビアンとゲイは「同性愛」というセクシャリティで、これは50種類以上あるとも言われるセクシャリティの中の1つです。
レズビアンは女性を好きになる女性で、ゲイは男性を好きになる男性です。
今回はレズビアン・ゲイをまとめて「同性愛者」と称し、書いていきます。
セクシャルマイノリティに対する理解が進む現代ですが、彼らのこと、あなたは正しく理解していますか?
分かってるようで、そうでないかもしれない「同性愛者って異性を好きになることあるの?」この質問に、LGBT当事者の筆者が答えていきます。
同性愛者って、異性を好きになることあるの?
結論から書きますが、同性愛者が異性を好きになる事はありません。
彼らは「同性しか好きにならない人」です。異性に対して恋愛感情を持つことはないんです。
恋愛対象が異性である人(ヘテロセクシャル)の方からすれば想像できないかもしれませんが、親から「同性を好きになりなさい」と言われたことを想像してみてください。
いくら親から言われたとはいえ、恋愛対象を変えることはできないですよね。
それは同性愛者も同じです。「異性を好きになりなさい」と言われても、無理なんです。
セクシャリティは、自分や他人の意思によって強制的に変えることはできません。だからこそアイデンティティーなんですよね。
異性も同性も好きになる人はいるの?
バイ(両性愛)や、パンセクシャル(全性愛)などは、異性も同性も好きになることができるセクシャリティです。
これらは同性愛と間違えやすいですが、実は違うものなんです。。
例えば、筆者は体も心も女性で、彼女がいます。が、レズビアンではありません。パンセクシャルです。
同性とお付き合いをしていますが、異性も同性も好きになる(恋愛をするときに相手の性別を意識していない)というところで、同性愛者とは言えませんね。
同性愛者だけど異性と恋愛している人がいるのはなぜ?
これは、バイなどの“異性も同性も好きになる人”だったということです。
LGBTは、セクシャリティに興味のない人に「同性愛者だ」と名乗ることがあります。
その方が分かりやすいからです。
正しい説明をしても分かってもらえないという経験に基づく諦めから、そう言う場合もあります。
また、セクシャリティはある日突然はっきり分かるものではありません。生きていく中で少しずつ明らかになっていくものですので、自覚するセクシャリティに変化がある場合もあります。
同性愛者だけど異性と結婚している人がいるのはなぜ?
同性愛者で異性と結婚している方はいます。これにはさまざまな理由があります。
まず、偏見と無理解により、本人の気持ちとは関係なく異性と結婚せざるを得なかった場合です。
江戸開国から近年までの、日本のLGBTに対する偏見は、信じられないほど酷なものでした。異性との恋愛を強要され、それをできない方に人々は残酷にあたり続けました。
このように、異性と結婚しないことで周囲から受ける酷い扱いを避けるために、自分の気持ちとは関係なく異性と結婚している人もいます。
次に、本人は同性愛者だけれども、相手の理解もあり、友達のような関係で結婚をする場合です。
現在日本では同性間での結婚はできません。そのために、同性愛者は法的に不利な立場にあります。
同性愛者に限らず、独身者であれば孤独死のリスクもありますし、遺産相続や入院・手術の同意書のサインなどで不利です。
そのような不利益を互いに理解し、協力者として異性と結婚する場合もあるんです。
おわりに
セクシャリティの常識は、今急速に変化しています。
速度が速すぎるが故に、当事者でないと知らないということも多いでしょう。
でも、セクシャリティの多様性を知っていることで、周囲の人を無意識に傷つけてしまうようなことは防げるのではないでしょうか。
(西繭香/ライター)
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