外では社交的なのに、気の許した相手にはついキツく当たってしまう……なんて人はいませんか?
特に女性のほうが口が達者なので、自分でも気付かないうちにモラハラ発言をしていることがあります。
前編では妻のモラハラに悩み、離婚を決意したSさんですが、これからどのような行動に出るのでしょうか。
そこで今回は「家庭内ハラスメントの現実〈Vol.2〉」をご紹介します。
マンガ喫茶に1泊するものの、気になるのは娘のこと
私がはさみを定位置に戻さず、激怒している妻。
いずれにしても家には入れてもらえないと思ったので、近所のマンガ喫茶に1泊することにしました。
でも気になるのは娘のこと。
ちゃんとご飯は食べられているのか、妻からストレスのはけ口にされていないか心配でした。
本当はそのまま職場へ行こうと思っていましたが、一度朝に帰宅することにしました。
「パパ、今日は絶対帰ってきて!」
そっと家の鍵を開けたものの、案の定チェーンが掛けられており、中には入れません。
チャイムを鳴らして起こしたら怒られそうだしと悩んでいると、娘が気付いてチェーンを外してくれました。
そして「パパなんで帰ってきてくれなかったの?」「○○(娘の名前)ずっと待ってたんだよ!」と寂しそうに訴えてきました。
「ごめんね」と謝ると「今日は絶対帰ってきて!」とお願いされました。
「うん、帰ってくるよ」と約束をすると、娘は安心して眠ってくれました。
数時間後に娘を起こし学校へ行く準備をしていると、妻が起きてきました。
そして私を見るなり「何でいんの?」と一言。
「昨日はごめんなさい。僕がはさみを戻さなかったのが悪かったです」と謝ると、「お前って本当何もできないよな」と捨て台詞を吐きながら再び寝室に戻っていきました。
怯える娘を諭しながら、私たちは学校と職場へ向かいました。
「パパとママ、もう一緒には住めないと思う」
その日は「どうしても急用があって」と上司に伝え、昼過ぎに早退させてもらうことにしました。
そして学校に連絡をし、授業が終わる頃に娘を迎えに行くことに。
「パパ、なんで今日は迎えに来てくれたの!?」と嬉しそうな娘とファミレスに入り、「パパとママはもう一緒には住めないと思うんだ」「○○はパパとママのどっちと一緒にいたい?」と切り出しました。
娘が「パパがいい!」と即答してくれたので安堵すると同時に、私は娘と一緒に家を出る決意をしました。
離婚成立、親権はSさんに
私だけで妻を説得させるのは困難だとわかっていたので、離婚の交渉は弁護士さんにお願いしました。
LINEや留守電など、モラハラの証拠は多くあったので、多少時間はかかりましたが離婚することができました。
また妻が親権を欲しがらなかったため、娘は私と一緒に暮らすことに。
狭いアパートではありますが、穏やかな生活ができています。
ちなみに妻の両親からは、何度も「離婚だけは勘弁してくれ!」「私たちの育てかたが悪かっただけ。
娘は何も悪くないからどうか許してやってくれないか」と懇願されました。
でも結局離婚、孫の親権は私に渡り、酷く落ち込んでしまったようです。
少し申し訳ない気もしましたが、妻のモラハラを黙認していた義父母に同情はできませんでした。
無事離婚できても、後悔が残ることもある
とはいえ娘から母親を奪ってしまった事実に変わりありません。
いまでも「もっと家庭内がうまくいく方法はあったのではないか」と考えることもあります。
でも娘への愛情は誰にも負けません。
「私の判断は間違っていなかったんだ」と思える日が来るよう、仕事も子育ても精一杯頑張る所存です。
(和/ライター)
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