「お前の物は俺の物。俺の物は俺の物」という『ドラえもん』に登場するジャイアンの有名なセリフがありますよね。
こういうメンタルをジャイアニズムという造語で呼ぶんだそうです。
ジャイアンの発言は作劇上のジョークですが、本気でこれを信条にしているしてる厚かましい人もたまにいるんだとか。
たとえば結婚して、夫のお給料を自分が管理するという名目で、結構好き勝手に使う奥さんとか。
そういう人ばかりではないけど、そんな人も実際いるわけですね。
今日はちょっと、そういう金銭的なジャイアニムズに支配された奥さんたちが、何故そうなっちゃうのか。
これを色々とですね、当事者らをこのコロナ禍の中で苦労して探してきたので、紹介したいと思います。
「夫のお金の管理がだらしないから、私が」
夫の無駄遣いが前々から目に余っていた。
そう話すのは僕の旧知の友人、Sさん。
彼女は結婚してもう14年ほどになり、子供も2人育てている専業主婦です。
その旦那さんにはお会いしたことはないものの、あまりお金の使い方がスマートでないというか、無駄なものをついつい買ってきてしまうのだとか。
たとえば記念日でもないのにケーキを買ってきたり、子供の誕生日でもないのにおもちゃを買ってきたり。
そういう姿勢が気に食わなかったSさんは、結婚して数年で旦那さんのお小遣い制を導入することを決意。
そうして実質的なお金の管理を取り仕切るようになりました。
以来旦那さんは無駄遣いしようにもできなくなったので、表面的は解決したというか、家計は安定しており、貯蓄に回すお金も増えたそうです。
「お金の管理ができない夫の代わりに、私は家事の合間に家計簿をつけている」と豪語するSさん。
そんな彼女はいわゆるケチではないので、旦那さんや子供の身に着ける衣服は常に上等なものばかりですが、肝心のSさん本人は毛玉だらけのセーターを着ていることが多いんです。
ジャイアニズムに見せかけた倹約のプロというか、自分の身を削ってでも家族に還元したいという思いやりが強い女性なのです。
「パチンコをするために、私が家計を管理するふりをしている…」
前述のSさんのような、できた妻と対極を成すような奥さんの話もしておきましょう。
僕の元カノにAVに出たり、パチンコ系の仕事をしたり、結構奔放にやっていた女性がいるのですが、その女性も数年前に結婚しまして。
で、幸いにもお相手は純朴なサラリーマン。
恐らく彼女の過去についてはあんまり知らないか、知ってて詮索しないタイプなのでしょう。
この旦那さんは元カノのことをよく信用しており、お給料の一切を彼女に預けていたのです。
もちろんそうなるように仕向けたのは元カノ。
「あなたが働いている間、家計を取り仕切るのは私。
だからお給料も全て私の口座に移してね」と邪悪なジャイアニズムを発揮させたのでした。
その結果、彼女はSNSの裏垢を作って、そこで毎日パチンコをしている様子をアップする有様。
「今日はウン万円負けた」だのの徳の低い投稿を繰り返している日々なのですが、流石にこれには僕も含めて周りの事情を知る人たちもドン引き。
不倫している様子こそないのですが、割と最悪ですよね。
「旦那さんにバレたら殺されるんじゃないの?」と思いつつ、しかし下手に干渉して飛び火しても敵わないという思いもあるため、静観しているところです。
「家事は私がやってんだから金銭管理も当然私」
これぞ究極のジャイアニズムというか、のび太くんのような男性を夫にした女性あるあるみたいな話も、当然耳目にしているので、そちらも紹介しましょう。
あんまり面白くはないですが。
交際していた段階から彼氏よりも意思決定力の強かったYさんという女性が、ほどなくして結婚。
案の定結婚後は、夫を尻に敷く立場になったわけですが、別にYさんはそうしたくてしたわけじゃないと言います。
「本当は引っ張ってくれる男性と結婚したかったけど、そういう出会いはなかった。
妥協して結婚したけど、今の旦那は本当になよなよしていて、お金の管理も得意でない。
結婚する段階で発覚した旦那の年金の未納分も私が一括で支払った。
このままじゃとてもじゃないがお金を任せられないから、アイツの財布は私が管理している。
旦那には毎日1000円ずつ財布に入れて渡してる」
こう主張するYさん。
気持ちはまあ汲み取りますが、ちょっと勢いがあるというか圧が凄いというか、怖い奥さんだなぁという印象です。
元々はYさん、結婚前から僕の知り合いだったのですが、その当時はここまでの圧はなかったはずですが……人間、責任感を背負うとジャイアニズムをも発動することもある、ということでしょうか。
おわりに
ジャイアニズムと書くとちょっと横暴というか、独裁的なイメージを抱くもの。
でも奥さんが旦那さんの財布を管理するという局面においては、たまに最悪な事例こそ混ざっているものの、大抵は家計のためにそうしているというケースが多いのかな? という印象です。
もちろん、もっと多くの主婦の話を腰を据えて聞かないとダメなんでしょうけど、意外と旦那さんの財布をしっかり掴んでる奥さんというのが少なくて……。
なので今回は、この程度でご勘弁ください。
(松本ミゾレ/ライター)
photo by Sarah Cervantes
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