今は、一生涯同じ会社に勤め続ける、という働き方だけとは限らない時代になりました。転職を繰り返して、今の仕事にたどり着いたという人も多いことでしょう。
では、人が転職を決意する瞬間は、どんな瞬間なのでしょうか。今回は、「転職を決意した瞬間はどんな瞬間でしたか?」と話を聞いて回った結果を元にお伝えします。
忙しすぎて体調を崩したとき
「激務過ぎて、これ以上は無理と思ったとき」(20代女性/接客業)
「体を壊して入院したときと、メンタル的に病んだとき」(20代女性/専門職)
「働きすぎて体調を崩したとき。好きな仕事だけれど、この先続けていけるか不安になり、専門職から一般企業で働いてみようと思い、転職」(20代女性/クリエイター)
「体力勝負で、身体が持たなかった」(30代男性/事務)
忙しすぎる、体調を崩したとき、という意見がありました。アルバイトを掛け持ち、休みなく働いたことで、肉体的にも精神的にも限界となり、入院したという声も聞きます。
働きすぎて肉体的にも精神的にもダメージを受けて、仕事どころではない、となってしまっては本末転倒。働き方自体に無理があるのであれば、無理がなくなるように転職したほうがいいでしょう。
理不尽な対応をされたとき
「通勤に時間のかかる場所に、なんの断りもなく移動させられそうになったときです」(20代女性/事務)
「派閥に入らないといけない雰囲気があった。関わりたくないので転職しました」(30代女性/自由業)
「年齢に対して年収があまりに低かった上に、上司のセクハラが多かったからです。自分の考えを形にできる仕事ではなく、本当につまらなくて、唯一残されたのが人間関係だったのに、人間関係までダメになったから転職しました」(30代女性/IT)
「上司についていけないと思ったとき」(20代男性/接客業)
「経営者の無茶がすぎた上に、自分が利用されているだけだと察したとき」(20代男性/製造業)
「勤め先で労働時間と給料が減りそうだったとき」(30代男性/自由業)
「上司の融通がきかず、自身の言葉が全て正しいのだと押しつけられたとき」(30代男性/接客業)
「電化製品販売の仕事にて、月8日休み、毎日7時~23時勤務で気力の限界を迎えたとき。『こんなの売れないよ』と思っている製品を飛び込み営業させられて、成果を上げられず説教をされたとき」(40代男性/事務)
このように、いわば「理不尽な対応をされたとき」とでもいうのでしょうか。人によって理由はさまざまですが、理不尽な対応をされた上で、その仕事を続けていけるかどうかと考えたときに、続けていくのは自分自身にとって耐えがたいことだと判断したのであれば、転職するというのは自然な選択肢なのかもしれません。
パワハラ、セクハラを我慢してしまって、それが原因で心の健康を損なうことも大いにあるので、我慢することはオススメできません。
前向きな理由での転職
「前提にあるのは次に何をしたいかではなく、何がしたいかを見つけたときです。あとは、前職とつながりを持ちながら、自分がバージョンアップできるかどうかで転職を決意します」(40代男性/介護士)
こちらの意見は「前向きな理由での転職」といったところ。何がしたいかを見つけたときに転職する、自分がバージョンアップできるかどうかで転職する。まさにポジティブです。
20名以上に話を聞いた中で、転職理由がポジティブだったのはこの方だけ。つまり、ほとんどの場合が何かしらネガティブな要素があって転職するということです。
面接では前向きな転職理由を聞かれるので、それをねつ造しなきゃいけない、ということもあるでしょう。けれど、そうして無理してポジティブな理由を見つけようとしている人は、他にも大勢いるということを忘れないでください。
まとめ
「何があっても同じ仕事を続けるべき」という考え方も、よく見聞きします。確かに、些細なきっかけで転職を繰り返してばかり、となると、スキルが身につきませんし、社会的な信用もなくなってしまいます。
しかしながら、転職を繰り返すということは、自分に合った仕事が見つかっていないということでもあるのではないでしょうか。転職を繰り返した結果、自分が本当にやりたい仕事を見つけることができた、そう思えることは悪いことではないでしょう。
(yummy!編集部)