経験豊富でも幸せでなければ意味がない

男性経験のいかにも豊富な雰囲気は、確かにオトコを誘い込むものである。
つまりすぐに落とせそうな気配というものを、男性は敏感に察知して寄ってくるのである。

モテる女性は益々モテ、モテない女性は益々縁遠くなる。
この法則は真理だと思う。
数打てば当たるということもあるので、多くの男性経験がある方がいいオトコに当たる確率も当然高くなる。

しかし、来るものは拒まずで、寄ってくる男性の大方を受け入れるスタンスは果たして幸せと結びつくのだろうか?

表現は悪いが、手垢にまみれた雰囲気は「オンリーワン」の存在にはなり得ない。

モテるオトコというのは、遊び相手と一生をかけて守るべき存在とを明らかに選別するものである。

こうなると女性にとって各自の幸せの定義とはなんだろうということになってくるかもしれない。

軽く遊ぶ異性が沢山いるのが幸福だと思うか、多少自由が束縛されても、男性の大きな羽の中で大切に守られて生きることが幸せだと思うか……。
女性の本能として、多くの人は後者に幸福感を見出すだろう。

一昔前ならこれが結論で、尻軽女は幸せにはなれないというところに着地しておしまい、だった。

しかし、近ごろは違う。
恋愛においての二極分化が著しくなってきた。
30代にして男性経験ゼロという人もいれば、20代にして60人に迫る男性経験の持ち主もいる。
どちらもそんなに珍しい存在ではなくなってきた。

確かに、いくら「オンリーワン」を目指せと言っても30代にして、まったく男性と付き合ったことがないというのは不利である。

恋愛の作法は、やはり実際に異性と付き合ってみないことには会得できない。
男性を見る目も、実際にオトコ四つに組んで付き合ってみないと養えない。

一方、恋愛を通じて、転んだり、擦りむいたりすることで、人生そのものが豊穣になっていく。

だからやみくもにオトコと付き合うことは薦めないが、やはりオトコとはとにかく付き合ってみないと何にも始まらないし、分からない。

傷つくことを恐れてはいけない。人生なんて拒絶されることの連続であり、自分の望む扉がすんなりあいてくれる方が奇跡なのである。

真剣な恋愛から学ぶものは、たとえそれが失恋に終わったとしても、果てしなく多く、それを糧に次なる幸せをつかむことだって可能である。

なんといっても恋愛を楽しんだもん勝ち!

そして、最後にもう一つ。
恋愛だけはいくら修行を積んだとしても、すべてが見えてくるということはありえない。
その都度その都度、悩み煩悶する。

が、人生短し恋せよ乙女。

やっぱり、その一言に尽きる。
恋愛の幸福感をより多く、深く知っている人生の方がなんといっても幸せなのだから。

南美希子プロフィール


南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。

恋愛・美容エッセイスト|南美希子オフィシャルフェイスブックページ

Written by 南美希子
Photo by Mike Monaghan