高級寿司店デートで失敗しない大人女子のマナー「ワルツの法則」

 by 南美希子


男性から食事の誘いを受けた。

しかも、相手は自分より年も格も上の男性で、1対1で寿司屋へと聞いたらおのずと緊張するだろう。

長い付き合いの恋人同士ならいざ知らず、初めての二人っきりの食事。

もしかしたら食事のあとで、愛の告白が待っているかもしれない。

恥ずかしいふるまいで恥をかきたくないし、相手にも恥をかかせたくない。

そこで今回は、知っていると好感度アップ間違い無しの大人のマナーをご紹介。

大人女子のマナー「ワルツの法則」

寿司屋のカウンターに座るとき、いうまでもなく強い香りはタブーだ。

店によっては、入店しただけで顔をしかめられる。

さらに、寿司屋の照明は概して明るい。

濃い化粧はもとより、よれたファンデや髪のパサつきも一目瞭然。

明かりを落としたレストランに入るとき以上の、入念なチェックが欠かせない。

また、胸元のあいた服装もご法度。

なぜならば、カウンターの職人さんの位置から嫌でも覗けてしまう。

やはり清楚な服装が寿司にはふさわしい。

出で立ちとともに、寿司屋のカウンター席は、初心者にとって相当の緊張を強いられるものだ。

声を発して直接注文することさえ臆してしまう。

気の利いた男性なら代わりに注文してくれたり、職人さんに「好きなものを聞いて握ってくれますか?」と助け舟を出してくれる。

だが、そうでなく、「好きなものを注文して」と放り出されたような感じになると、戸惑ってしまう人が多いだろう。

以前、カウンターの隣に座っている若い女性が、「ひかりものとマグロ、それから貝も食べられません」というのを聞いて唖然とした。

これじゃあ食べるものは殆どないし、エスコートしてくれる男性のメンツも丸つぶれだ。

こういう時は、誘われた段階で「ごめんなさい。お寿司だけは苦手な食材が多くてダメなんです」と、あらかじめ申告すべきだろう。

さて、肝心の注文の仕方であるが、カウンター席に案内してくれるくらいだから、相手は懐にまずまず余裕のある人だと踏んでいいだろう。

だからといって、大トロ・うに・あわび・いくら・生き車エビと、かねめのネタのオンパレードでは相手もしらけるだろうし、二度と連れてくるまいと思うかもしれない。

が、反対に、こはだ・イカ・アナゴ・サーモンでは連れてきた方もがっかりだろう。

張り込んで誘ってくれたわけだから、ある程度相手の男性に花を持たせるべきである。

また、常に「同じものでいいです」といって、全く自発性がないのもよくない。

基本的には相手に合わせながら、時折見せる自発性が好感を与える秘訣である。

注文の極意を一言でいえば、「ワルツの法則」である。

安い、安い、高い。安い、安い、高い。

と、この順番で、ワルツを踊るように注文するのがコツだ。

アジ、ホタテ、うに。アナゴ、イカ、大トロ。というふうに。

一貫ずつ注文するときも、ワルツの法則でいこう。

1回に注文できる限度は、3貫までと思ったほうがいい。

そして相手におごられているときは、通ぶってアブトロや赤貝のひもなどは控えたほうが賢明だ。

また、何よりも相手のうんちくに感心しながら相づちをうてば、相手はゴキゲンになること間違いなし。

相手の杯に全く気を配らないのも可愛くないが、女給のようにお酌ばっかりするのも安っぽい。

勧められるがままに酔っぱらうのも、たとえ相手に許す気はあっても、あまりにもハードルの低い女とみられる可能性があるので控えるべきだ。

どんな高い食事をおごられても、食事で落ちるオンナになったてしまってはおしまいということだ。

南美希子プロフィール


南 美希子
司会者、エッセイスト。
東京生まれ。
元祖女子アナ。
聖心女子大学3年生のときアナウンサー試験に合格。
テレビ朝日のアナウンサーを経て独立。
田中康夫氏との「OHエルくらぶ」、三宅裕司氏との「EXテレビ」などで司会をつとめる。
光文社のJJに「お嫁に行くまでの女磨き」、VERYに「40歳からの子育て」を長年にわたって連載し、熱烈な支持を受ける。
現在もワイドショーのコメンテーターやシンポジウムのコーディネーター、トークショー、講演、執筆などで活躍中。
化粧品「フォークイーンズ」の開発や美容医療情報のフリーマガジン「MITAME」の編集長もつとめる。
講談社「グラマラス」では「LOVE握力」というタイトルのブログエッセイを連載中。
近著に「オバサンになりたくない!」「美女のナイショの毛の話」(ともに幻冬舎文庫)がある。

恋愛・美容エッセイスト|南美希子オフィシャルフェイスブックページ

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Photo by V o d k a