勘三郎・團十郎死去…次代を担う歌舞伎界プリンスたち6選!

 by 小宮山蘭子


2月3日に歌舞伎役者の市川團十郎さんが亡くなりました。

昨年12月の中村勘三郎さん逝去に続き、その死を惜しむ声は各界に広がっています。

日本が世界に誇る素晴らしい伝統芸能でありながら、多くのひとにとっては敷居が高く、どこか“遠い存在”の歌舞伎。

しかし、見てみると、たくさんの歌舞伎役者たちが映画やテレビの世界でも活躍していることに気づきます。

そこで、おなじみの歌舞伎界のプリンスたちをピックアップし、その知られざるプロフィールや魅力に迫ってみたいと思います。

ちゃんと歌舞伎してます!次世代プリンスプロフィール

先人の遺志を継ぎ、歌舞伎界を盛り上げていく頼もしい存在であり、同時に、伝統芸能と若い世代をつなぐ貴重な“橋渡し役”でもある、次世代の歌舞伎プリンスたち。

彼らの知られざるプロフィールをご紹介します。


●その1:市川海老蔵(十一代目)

先日亡くなった十二代目・市川團十郎の息子。屋号は「成田屋」。

1994年に大河ドラマ『花の乱』(NHK)でテレビデビューしてから、その後も大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』(NHK・2003年)の主演に抜擢。

2009年には、木村拓哉主演ドラマ『MR.BRAIN』(TBS)出演。

2011年には、自らの主演映画『一命』で瑛太と共演し、カンヌ映画祭にも参加する演技派です。

歌舞伎界は昔から「市川團十郎」が頂点とされています。
つまり、彼ら親子の「市川宗家」は、最も格が上と言われる名門中の名門。

彼自身は、これまで小林真央との結婚や暴行事件といった話題が先行していましたが、若手の中では抜群の実力を持っているのです。

歌舞伎通の間でも「海老さま」と言う愛称で人気を誇る、NO.1プリンス。


●その2:尾上菊之助(五代目)

父は尾上菊五郎、母は富司純子、姉は女優・寺島しのぶ。

屋号は、「成田屋」に次ぐ名門と言われる「音羽屋」です。

映画『忠臣蔵 四十七人の刺客』(1994年)の大石主税や、『犬神家の一族』(2006年)の犬神佐清(スケキヨ)などを熱演。

『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』(2008)では、 カスピアン王子の吹き替えを担当しました。

歌舞伎での女形や二枚目においては、若手髄一の美しさとも言われている彼。

シェイクスピアの戯曲『十二夜』の歌舞伎版を企画し、蜷川幸雄の演出でロンドン公演も成功させました。


●その3:中村勘九郎 (六代目)

故・中村勘三郎(十八代目)の息子。屋号は「中村屋」。妻は女優・前田愛。

父の亡くなった日にも弟・七之助とともに気丈に舞台を務め、涙をこらえて口上を述べた姿は記憶に新しいですね。

偉大な父に厳しい訓練を受け、幼い頃から秀でた踊りの才能を開花。
数々の大役を果たしてきました。

歌舞伎以外にも野田秀樹や三谷幸喜の舞台作品に挑み、映像の世界にも進出。

映画『禅 ZEN』(2009年)に主演し、今秋公開予定の三谷幸喜監督映画『清州会議』にも出演予定。


●その4:市川染五郎 (七代目)

父は松本幸四郎(九代目)で、屋号は「高麗屋」。妹は女優の松たか子です。

2005年、映画『阿修羅城の瞳』『蝉しぐれ』で主演男優賞を受賞するなど、映像作品で幅広く活躍。

歌舞伎でも、あらゆる役をこなす柔軟性が高評価を受けています。

江戸川乱歩の推理小説の歌舞伎化や三谷幸喜による歌舞伎作品への主演など、新作へも積極的に挑戦。

昨年8月、舞台から転落するという大事故に見舞われましたが、今月4日に復帰を果たしました。


●その5:市川中車(香川照之・九代目)

父は、エンタメ性の高い“スーパー歌舞伎”で一時代を築いた市川猿翁(二代目)、母は女優の浜木綿子です。屋号は「澤瀉屋」。

映画『劒岳 点の記』(2009年)で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など数々の賞に輝き、カンヌやベルリンの国際映画祭にも幾度となく招聘されている演技派俳優としても活躍。

東京大学卒業で、ボクシング通としても有名です。

映像作品での人気・実力は折り紙付ですが、両親の離婚によって歌舞伎界からは遠ざかっていました。

一昨年、市川中車を襲名し歌舞伎役者としても活動することを発表。

今年6月からの襲名公演で、いよいよ本格的に歌舞伎役者としてデビュー。

歌舞伎界に新風を吹き込む存在として期待されています。


●その6:中村獅童 (二代目)

歌舞伎の名門・「萬屋」の生まれですが、父の初代・中村獅童の早期廃業で後ろ盾がなく、苦労が多い下積み時代を送りました。

29歳のときに映画『ピンポン』(2002年)で脚光を浴び、新人賞を総なめ。

その頃から歌舞伎でも頭角を現してきました。

プライベートでは、2005年に女優・竹内結子と結婚しましたが、3年後に離婚。

数々の映像作品に引っ張りだこで、映画『硫黄島からの手紙』や『レッドクリフ』では海外に進出。

国際的なスターたちにひけをとらない、強烈な存在感を残しました。

映画『DEATH NOTE』(2006年)の死神・リューク役や『あらしのよるに』(2005年)のオオカミ役と、声優としても活躍。

敷居は高くない!日本の伝統芸能・歌舞伎

この6人以外にも、現在の歌舞伎界では成駒屋の中村橋之助 (三代目)、澤瀉屋の市川猿之助(四代目)など多くの若手が活躍しています。

彼らには、これからも、あらゆる世代の心を揺さぶる魅惑的なエンターティメントを見せてほしいですね。

Written by 小宮山蘭子
Photo by Chandler Abraham